room44_20130315
ご案内:「とある街の工房」にロネさんが現れました。 (03/15-18:51:35)
ロネ > (貧血でふらつく脳髄のことなんて忘れた。ジジ、と燭台のろうそくの炎が揺れる。小さな焔のもと、手元の小刀を動かす。ひとりきりの埃臭い工房。大作りの机。いくつも転がった椅子。) (03/15-18:54:43)
ロネ > (作業板の上には粘土の塊、だったもの。それは人形の頭部を象っている。朝からずっと、人形の原型をつくっていた。人形の手足、そして胴体も机上に並んでいた。これをもとに型を作るのだ。薄く薄く小刀を動かし、少女の顔を彫っていく。) (03/15-18:57:30)
ロネ > (左脚の痛みのことなど忘れた。ぷっくりとした頬。潤んだ瞳。花弁の唇。この少女はどんな娘にしようか。その陶磁のうちに燃える感情は。華やかな喜びか、可憐な楽しさか、静かな悲しみか、滾る怒りか、湿った嫉妬か、ふくよかな愛情か、はたまた――小刀が動くたびに、感情が表情に刻まれていく。) (03/15-19:02:08)
ロネ > (瞬きをすれば、まぶたの裏に艶やかな少女の姿が目に浮かぶようだ。そうだ、この娘ははっとするような枯れ草色の髪にしよう。草原のように波打った髪。実りの畑ではなく、荒涼とした冬の枯れ野原。春だというのになんたる寒さだろう。瞳の色は、凍てついた、冬の澄み渡った青空が良い。依頼人は好きにしてくれといったことだし、そうしよう。) (03/15-19:05:50)
ロネ > (肌の色は雪色が良い。枯れ草の姫君。服はどうしようか。顔の彫りを、もう少し深く削りながら考える。白無垢も良いが――つと思った。葡萄酒の色。赤みがかった深い紫。“彼女”が纏えば、豊穣の葡萄酒も厳粛な雰囲気となるだろう。表情は高貴なものがいい。唇のふくらみを薄く削り取る。) (03/15-19:10:38)
ロネ > (葡萄酒の艶のあるビロード――いや、サテンのほうがいい。どっしりとしたビロードの襟飾りはどうだろう。いや、彼女には豪奢すぎて、逆に下品になりそうだ。それよりシンプルなペンダントはどうだろう。ペンダント? いいや、アクセサリは不要だ。ケープ。そうだ、ケープがいい。黒い糸で細かく編んだレースのケープ。幅広のつばつき帽子におなじレース飾りを縫いつけよう。髪は編みこみを入れて。まつげはたっぷりと描こう、その青空の瞳で相手を静かに、力強く見据えられるように。) (03/15-19:16:34)
ロネ > (そのまま静かな時間が流れる。男の琥珀の双眸は、凄みをもってぎらついている。) (03/15-19:18:08)
ご案内:「とある街の工房」からロネさんが去りました。 (03/15-19:18:11)
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