room41_20120916
ご案内:「アルフィルド」にアステル☆さんが現れました。 (09/16-15:33:29)
アステル☆ > (世界トリエイジスのとある大陸に浮かぶ湖上都市レクティーン。その都市の一角を構成するドワーフの大回廊から徒歩30分のところに、妖精が経営する店がある。) (09/16-15:35:44)
アステル☆ > (店の奥に広がる広大な森には『神隠し』が仕掛けられ、妖精の案内なしには出る事が叶わず、また例え抜ける事が出来たとしても、別の土地、別の時間、異界に足を踏み入れることになるだろう。) (09/16-15:39:17)
アステル☆ > (具体的には、茶店『時狭間』の近くにある『境界の森』と似たような性質に、もれなく妖精(の子供たち)の悪戯が付いて回る森と考えれば良いだろうか?) (09/16-15:41:14)
アステル☆ > (命は奪われないかもしれないが、あっちこっちに連れまわされ、時間と体力と保存食と常識が摩耗する森だ。ドライアドや木霊やエルフなど、森と一体と言えるほど近しい存在はともかく、一定の文化を備える人や動物、魔物が暮らすには、ちょっと敬遠したい森でもある。) (09/16-15:46:18)
アステル☆ > (逆に言えば、妖精の案内さえあれば、この森は遠隔域へのとても有用なショートカットになるとも言える。) (09/16-15:50:02)
アステル☆ > (冒険者や商人や旅人が、騎士に神官に兵士や傭兵が、アルフィルドで求めた地図を片手に森の奥へと列をなして入っていく。彼らの行先は様々だ。) (09/16-15:52:19)
アステル☆ > (そんな地図を売る店の奥、居住区画の一室に妖精は居た。) (09/16-15:54:23)
アステル☆ > (妖精が居るのはキッチン……と言うには、少し人や亜人種が備えるそれとは趣が違う。) (09/16-15:57:15)
アステル☆ > (キッチン中央にあるのは丸テーブル。だが、作業台というよりは『踊り場』と言った方が良いだろう。 キッチンの青天井──星光の妖精という特性上、食材の運搬、妖精の出入り、そして動線を考えたなら、空が見える吹き抜けが最も望ましい──には、踊り場を取り囲むように、金属で出来た真円の環が幾重にも重なり備えられ、無数の『手』がぶら下がっている。) (09/16-16:05:24)
アステル☆ > (手の名前は『千手』。ドワーフ謹製のその手は勿論からくり仕掛けであり、手の全ては蜘蛛の糸を縒り合わせた極細のワイヤーで踊り場に立つ妖精の籠手に繋がれていた。) (09/16-16:12:12)
アステル☆ > (そんな妖精の前にあるのは、フィルム状に薄く引き伸ばされたチョコレートの味覚サンプルと、昨日夫が森で摘んできたラズベリーや山葡萄の山。一部は子供たちとジオに戻し、ここにあるのは妖精が料理に使うものだけだ。) (09/16-16:17:01)
アステル☆ > (ここ最近、夫には自分の食の趣味に合わせてもらっていた。半分は、食材にかかるやりとりを楽しんでいたのだけれど、味と栄養はパーフェクトでも、使う食材が普通の人間ではちょっと引く様な物ばかりだったのは否めない。) (09/16-16:20:29)
アステル☆ > (わざわざ時を超えてミストに助言までもらいに行ったのだ。 仕事中の夫を見るのを我慢する分、ここで愛情を注ぐことにする。) (09/16-16:24:59)
アステル☆ > (どれか一粒だけ食べてみてのサンプリング……などと手を抜くような事はしない。千手を用い、山葡萄の粒を房から一粒一粒丁寧に外し、極細の針を用いて粒単位で果汁を採取する。) (09/16-16:29:46)
アステル☆ > (潰して混ぜてしまえば味は均等になるだろう。手間もかからないだろうし、時間もかかるまい。が、個性を均して均一化するよりは、最高峰の味覚と食感を選り抜き、ベストを尽くすことが贅の粋。) (09/16-16:36:39)
アステル☆ > (妖精は本気だった。) ──LINK──。 (今を起点に分岐する全ての平行世界の自分と、この世界の自分との知覚をLINKさせる。1人の妖精が行う味覚サンプルの組み合わせについての試しは一度。 しかし得られた結果は、全ての妖精の間で共有される。) (09/16-16:42:19)
アステル☆ > (焼けば、煮れば、干せば、蒸せば、漬ければ、その他ありとあらゆる加工による食材の化学変化と、その味を最もよく引き出す組み合わせの調理方法を選別する。) (09/16-16:48:10)
アステル☆ > (試行パターンは無限大。 そこから無量大数という有限の値にまで調理方法の候補を絞り込み、さらに、これまで夫に出してきた料理とその料理への反応、子供たちの好きなお菓子を条件に加えて、一気に億の単位まで絞り込む。) (09/16-16:55:24)
アステル☆ > (作るお菓子の種類としては既に3種に絞り込んであり、チョコレートコーティング、タルト、ムースの3つ。) (09/16-16:59:42)
アステル☆ > (後は昨今のレクティーンの気象条件と、夫の体調で微調整をかければ良いだろう。 いきなり完成品を出すのではなく、途中で夫に味見をしてもらうことも重要だ。主に自分が夫成分を補充する的な意味で。) (09/16-17:03:00)
アステル☆ > (夫の体調はどうやって調べれば良いだろうか? まずは顔色を見て、体全体のバランスを見る事から始めないといけないと思う。触診は必須だ。胸に耳を当てての聴診も必須だろう。良く聞き取るために、きちんと耳を当てなければならない。多少くすぐったくても、逃げない様に押さえるためには、ジャック豆を使って自分の身長サイズを夫に合わせる必要もあるだろう。 臓器の働きを見る為には、唾液の採取も必要か? ──必要だ。必要だ。) (09/16-17:11:32)
アステル☆ > (妖精は千手の指揮を執りつつ、舞台の上で軽やかに踊る。手に対して食材の量が少ないから、踊る手は100対未満。 理論武装も済ませ、夫に甘えるにあたり何一つ障害は無いと言えるだろう。) (09/16-17:18:26)
アステル☆ > (勿論、こんな背景は夫に聞かせる必要はない。むしろ聞かせてはいけない秘密だ。 せっかく作った甘い空気が飛んで行ってしまう。 作ったお菓子に最後に添える調味料は愛情で、愛情は最高の調味料。 さらにこの調味料のさじ加減は自分一人では完結できず、未だ自分は未熟なのだから。) (09/16-17:24:40)
アステル☆ > (どうやって籠絡──もとい攻略──じゃない甘えようかな~。と、ほわんほわんと想像を膨らませていた妖精は、ステップに躓いた。) ぁZ! (09/16-17:29:31)
アステル☆ > (どうやって籠絡──もとい攻略──じゃない甘えようかな~。と、ほわんほわんと想像を膨らませていた妖精は、ステップに躓いた。) ぁっ! (09/16-17:29:58)
アステル☆ > (踊り場の上でたたらを踏んで、どっと冷や汗が流れる。危なかった。千手に遊びが無かったら、今ので調理に失敗するところだった。) (09/16-17:31:54)
アステル☆ > (とりあえず、下ごしらえはこの位で良いだろう。 投入された指揮の下に動き続ける千手を背に、妖精はキッチンから出て行った。) (09/16-17:35:17)
ご案内:「アルフィルド」からアステル☆さんが去りました。 (09/16-17:35:31)
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