room11_20160517
ご案内:「闇の集う場所 -2-」に娯暮雨さんが現れました。 (05/17-23:20:40)
娯暮雨 > (ふわり。ゆらり。大きな白い毛の塊が風に揺れる。体長2m程のモフモフは、鬼と狐の混じったような奇怪な面をつけている。それが、するりするりと荒れた地面の上を滑るようにして、闇の地の隅を移動していた。) (05/17-23:25:34)
娯暮雨 > (月の光を受ける白い毛並みは、闇濃いこの地では、うっすらと輝いている様にすら見える。その白い身体には汚れなどひとつも見当たらない。けれど奇怪な面の端には、赤い血がべったりと貼り付いていた。するり、するりと進んだ先には、手頃な大きさの岩がある。白い毛玉は、ふわり、浮き上がると岩の上に着地した。) (05/17-23:34:41)
娯暮雨 > (そして、そのまま動かない。動かぬまま、奇怪な面がただただ闇の奥深くを見詰めたまま。白く繊細な毛先だけが、そよそよと風に揺れる。) (05/17-23:39:25)
娯暮雨 > (と、一度だけ強い風がごうと吹いた。風は燃屑のような塵を巻き上げ、岩の上の白い毛玉を大きく揺らした。すると、毛の塊はするりと解け、二本の尻尾に形を変えて、奇怪な面を被った女の背後に収まった。その尻尾の上でリボン結びにした帯をパタパタと揺らして、風が止んだ。) (05/17-23:49:47)
娯暮雨 > (そっと面に手をやる。ぬるりとした指先の感触に少しの間動きが止まってから、面を下ろした。目は伏せている。深く息を吸う。闇に染まった生温かい夜気で肺を満たす。眠りから覚めたかの様に薄らと目を開くと、吸い込んだ空気をゆっくりと全て吐き出して。闇を見つめたまま、口を閉ざした。) (05/18-00:06:27)
娯暮雨 > (俯いて、外した面へと視線をやった。ゆら…ん、と微かに尻尾が揺れる。俯いているからか、狐耳は垂れている様に見える。面の端に張り付いた血痕を指でなぞった後、持っていたハンカチで綺麗に拭う。血の付いたハンカチはポッケに仕舞い、面は腰に下げておいた。ふと、帯の間に挟んだ柔い布地に指先が触れて、するりとそれを引き抜いた。) (05/18-00:25:33)
娯暮雨 > (引き抜いたのは、淡く美しい光を纏った羽衣。重力もお構いなしにふわりと浮き上がる羽衣は、手を離せば空高く飛んで行ってしまいそう。この世のものとは思えぬ程に清らかで、この場所には酷く不釣り合い。けれどそれが、その美しさを一層引き立ててもいる。) (05/18-00:40:00)
娯暮雨 > ―…綺麗。(なんて、至極当然な感想をぽつりと零す。言葉とは裏腹に、悲しい声音で。)…、早く、届けてあげなくちゃダメでござるよね…。(うん、と言い聞かせる様に言葉を続けた後、取り出した赤い札をひらりと宙に投じ)『一反木綿』。(唱えれば、赤い札は白布の妖怪へと姿を変えた。) (05/18-00:47:13)
娯暮雨 > 任務、完了でござるよ。(へにゃ、と力なく微笑んで。飛んで行って仕舞わぬ様にと、羽衣を一反木綿の首に結んだ。身体が普段以上に軽くなる感覚に、一反木綿はほんの一瞬喜んだが、相手の様子に気付けば、長い身体で螺旋を描きながら女の周囲をくるくると回って擦り寄った。) (05/18-00:53:11)
娯暮雨 > (擽ったそうに、ふふっと笑って)―…ありがとう。里まで、お願いしても良いでござるか…?(勿論だとばかりに頷く一反木綿の白い身体に頬ずりをして。ふわゆらら、と尻尾が揺れる。羽衣を巻いた一反木綿の背に乗って、女は闇の地を後にした。) (05/18-00:57:28)
ご案内:「闇の集う場所 -2-」から娯暮雨さんが去りました。 (05/18-00:57:33)
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