room41_20180708
ご案内:「神隠しの森の館 -2-」に密かに観戦していた者たちさんが現れました。 (07/08-18:15:04)
密かに観戦していた者たち > 「………………」「………………」
神隠しの森の館44号室、総合まじない屋『サツキの風』。二人の童女はどこかから帰宅した後に、黙々とおまじないの道具を作り続けていた。
片方、キヨヒメは楽しげな顔を。片方、タキヤシャヒメはなんとも苦虫噛み殺したみたいな顔をしていた。二人の仕事はシーンと静まり返った中でなお続くが、やがてキヨヒメが静寂を破る。
「……ものすごい戦いでしたね?」
その言葉に対し、タキヤシャヒメはハンと鼻を鳴らしてみせた。
「物事には限度ってものがあんでしょ……つーか何よ、あの結末。水晶で観測しようとしたら割れたんだけど、商売道具なのに」
タキヤシャヒメは無残に割れて風呂敷に詰め込まれたクリスタルを見て、ため息をついた。
「……でも良かったではないですか。七夕の季節に、星を見れたのですし」
「神々の相撲やケンカ見すぎてアンタ感覚麻痺してない?」
ふたりは、別々の箇所から見ていたそのことについてなんのとりとめもない話を進めてゆく。 (07/08-18:25:05)
密かに観戦していた者たち > 神隠しの森の館の屋根にて、小さな拳士はひとり風を受けていた。銀の髪がサラサラと流れ、雲間に見える天空をただ見つめている。昼でも夜でもない黄昏の日を見つめ、真一文字に結んだ唇が彼女の意思を表しているかのよう。
(大いなる力とは、あのことか。……だが、あの戦いには愛があった。我が身を賭して戦う、男の魂が。……まったく、凄まじいモノを見せられたものだな)
――いつの間にか、その唇は柔らかく綻んで微笑を浮かべていた。彼女の手足から闘志の焔が噴き出し、髪は紅く変化し、戦う者としての姿を晒す。屋根上に佇んでいた光焔は境界の森の狭霧へと飛び込み、その姿を消していった。彼女の行き先は、果たしてどこへやら。 (07/08-18:31:30)
密かに観戦していた者たち > 「えーー!なんでだよ!いーじゃんか!」
「空気を読めと言ってるだろこのバカ!」
怒鳴り声が響く裏庭、そこにはフィリアとアリシアが鏡合わせのような風景で言い合いをしていた。駄々をこねる妹に、箒を片手に姉はため息を吐く。
「そもそもお前のスペックでも宇宙規模は無理だって言ってるだろ!なんでお前は強いやつを見ると戦おうとする!無謀だ無謀!」
「いやー、でもボクとしては彼女か彼と遊びたくってさ。久々に歯ごたえありそう……というか強そうなやつ見たんだからいいじゃん?アポだって取るし、なんでダメなのさー!」
さっきから説教されているのに一向に引かずブーたれるアリシア。フィリアはふかーくため息をついて、一言切り出した。
「……そんなにやりたきゃそのうち私がやってやる。それならいいだろ、まったく」
「え、マジ!?やった!約束だよ、約束ー!わーい!」
「わかったら部屋に戻れ、後でケーキを作ってやる」
わーい!わーい!とアリシアは大喜びで裏庭を駆け回りそのまま館へと飛び込んでゆく。フィリアはそれを見た後に……踵を返して館のキッチンへと向かい始めた。
「……さて、勝者には軽く祝いの品でも用意してやらないとな。クライスに融通してもらった材料は残ってたかな?」
フフ、と微笑んで足早に進むフィリアの足取りは迷いなく。黒いコートを翻し、彼女は勝利者への贈り物を用意する為に自らの戦場(キッチン)へと向かうのであった―― (07/08-18:42:26)
ご案内:「神隠しの森の館 -2-」から密かに観戦していた者たちさんが去りました。 (07/08-18:42:31)
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