room10_20180915
ご案内:「闇の集う場所 -1-」にズフルさんが現れました。 (09/15-23:26:55)
ズフル > (酷く、酷く疲れた表情で現れる。 駄目だった、先日の危機以来一切訓練に身が入らない。 打ち込みようの木偶を打っても、剣を振るっても先日の出来事が頭をちらついて離れない。 身を刺すような恐怖、心臓を握り潰されるような緊張、脳を裏からかき回されるような混乱。 その全てが体の芯に蛇のようにまとわりついて離れないのだ) (09/15-23:29:09)
ズフル > (体が自然と危険を求めるようにさまよい歩きスラムを通り、魔物の生息する森を抜け、気付けばこんな所まで迷い込んだ。 瘴気に塗れた場所まで辿り着き、その空気の悪さにようやく一つ落ち着く心地を感じた事に思わず自分で苦笑を浮かべた) (09/15-23:31:20)
ズフル > (このような場所の空気が落ち着くなど、そんな物は傷口に痛みを塗り重ねて楽になった気がしているだけなのは判っている。 自分の身に降りかかった悪夢をどうにかして引き剥がそうともがく姿は余りにも滑稽で、立っているのが辛くなる。 だが、それで居てなお感じるのはこの場の空気の悪さをもってしてもまだ足りないと言う事で、僅かな時間が過ぎればまた恐怖と言うなの蛇が体を支配する) (09/15-23:34:09)
ズフル > (剣を抜き、一度構える。 来訪者の姿に獣や魔物の視線はこちらを向くだろうか。 本能的な危機意識に産毛がぞわりと逆立つのを感じる。 だが、足りない、あの日の恐怖を上塗りしてくれる何かを求めて抜き身の剣を握ったまま瘴気の中をさまよい歩く) (09/15-23:36:08)
ズフル > (自分にこの場所は相応しくない。 早々にこの危険な場所から身を離し、日常へと戻るべきだと脳が警戒を鳴らす。 それでも右手の震えは収まらない。 瞼を瞑れば、あの日自分より背の小さな少年が自分を見上げてきた姿が浮かび上がる。 まばたきで目を瞑るたびにちらつくあの瞳に、僅かに取った夜の食事が胃の中から逆流しかけるのを感じる。 叫びだしたくなる気持ちと共にそれを抑え込んで、もう立っていられないとばかりに膝を付いた。) (09/15-23:40:38)
ズフル > (振るって振るって振るい続けた自分の剣は微塵も相手に届かず、積んできた研鑽とは何だったのかと言う無力感が湧き上がる。 5年、剣を握る者としては決して長くは無く、ただそれで居て人の人生の中では多大な影響を与えるだけの年月。 それだけの時間を必死に費やして来た自分とは、一体なんだったのか。 道化が笑う。 輝かしい道を歩み生きていく者を、人は華に例える。 ならばそれを目指して道化と化した自分は造花とでも言うのがお似合いか。 才無き者がどれだけ剣を振るい続けても、同じだけの努力を積んだ才ある者には敵わない。 あの日感じた壁は、絶望となって少年を苦しめる) (09/15-23:47:48)
ズフル > (それでも前に進めるかどうかが成長し続ける者とそうでは無い者の違いだと人は言うのだろう。 判っている、判っているつもりだ。 だからこの右手は未だに剣を離さないし、脳は前を向けと告げるのだ。 立ち上がり、右手を持ち上げ力を振り絞る。 一歩、二歩、前へ進んで左から右への横一閃。 脳裏に浮かぶあの姿が、その剣を潜りぬけ、あの僅かに光る一本の棒が少年の腹部を貫く夢を見た。 それでも一歩進んで首を薙ぐように剣を振るう。 脳裏に写るあの姿はその一歩の踏み込みざまに棒を突き出し喉を貫く。 どのように剣を振っても、あの姿を越える事が出来ない。 なまじ剣を振ってきた事で相手の動きを脳がトレースしてしまう、そこから導き出される結論はどのような訓練を積もうとあんな物に届く剣を見つけようが無い。 一度剣を振るう度に体中の力が奪われる心地がした。 これ以上続ければ、いずれ帰る力もなくなるのだろう。 そんな諦めだけは許されない気がして。) (09/16-00:00:56)
ズフル > ……! (脳裏に残り続ける恐怖を振り払うように闇雲に剣を振るった。 刃物に感じる恐怖感に負けぬよう、自分は武器が持つ力を制御出来るのだと師に伝えたくて剣を振るった5年前のように。 体中が気だるい脱力感に包まれたまま、悪夢を振り払う為に何度も何十度も、ただ只管に剣を振るう) (09/16-00:08:15)
ズフル > (肩で息をして、剣を収める。 剣を振るって判った事は、暫くはこの悪夢のような感覚と付き合っていかなければいけないと言う事だけで。 結局晴れない心地のまま、少年は来た道を戻っていく) (09/16-00:13:58)
ご案内:「闇の集う場所 -1-」からズフルさんが去りました。 (09/16-00:14:00)
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