room41_20181018
ご案内:「神隠しの森の館 -修練場-」にズフルさんが現れました。 (10/18-23:18:11)
ズフル > (久方ぶりに足を運ぶ少年は、以前と同じように森からこっそりと現れて) ……いい加減普通に来いって話しだけど。 (一つ苦笑を浮かべれば、修練場の中心まで歩き腰の剣を抜き放つ) (10/18-23:20:12)
ズフル > (深夜の誰も居ない時間に剣を構えると、とても落ち着くと少年は思う。 いつものように右手一本で剣を持ち、半身に開き刺突武器の構えに似た姿勢を取る。) (10/18-23:22:35)
ズフル > (目をつぶり、しばらく足を運んで居なかった間考え続けた事をもう一度思い返すように思考を動かす。 自分は何者で、何者になりたいのか。 自分が本当に守りたい物は何で、それを守る時に相対せねばならない本当の敵とは何なのか) (10/18-23:24:55)
ズフル > (剣の構えは自然体と言うには程遠く、右手にも自分の体では無い重みを感じる。 だが、それ等一つ一つが少年の日常で、積み重ねてきた日々の証。 故、この姿勢こそが最も落ち着き、思考が澄み渡っていく。 風に揺れる木々の音、踏みしめた地面の感触。 幾度この構えで師に挑んだだろう。 幾度この構えで負けてきただろう。 求める回答を得る為に、自分の脳裏に刻まれた過去を反芻していく) (10/18-23:28:35)
ズフル > (初めて剣を握った時は、子供らしい憧れの想いを持っていた事を思い出す。 幼少期に読んだ女傑グリムの物語。 自国の教会が崇拝する大陸を救った女傑。 誰よりも人を尊び、誰よりも優れた男装の女傑。 初めて本で読んだ時、きっと自分は目を輝かせて居たのだろう。 この物語に登場するような英雄になりたいと子供心に強く思った事を覚えている。) (10/18-23:32:17)
ズフル > (父の工房では多くの剣を見た。 店に並ぶ剣の一つ一つに憧れを感じ、触れるたびに頭を殴りつけられた事を思い出す。 父が打った優れた剣を握り、国に仇なす者の前に立ち騎士ズフル=クルアーンとして名乗りを上げる自分を夢想した。 例え相手が地剣のカインであろうとも、炎のゼムスであろうとも、羊飼いの魔女であろうとも、笑顔で向かい合い、それを打倒する自分を夢に見た。) (10/18-23:35:23)
ズフル > (十を少し超えた頃、師ラクア=アルメットに弟子入りした時は我ながら無謀をすると思った。 小さい頃には気にならなかった肩幅の狭さや、つきにくい筋肉もその頃には徐々に目立ち始め、心の何処かできっと自分は英雄達のような輝かしい道を歩めない事に気づき始めていた。 それでも幼い頃に感じた憧れは少年の胸の中に強く残り、いつしかそれは父の工房に顔を出す身近な騎士ラクアへの憧れへと姿を変え、あの人のように国民の誰からも愛される騎士になって、国の為、王族の為、そして国民一人ひとりの為に剣を握りたいと感じるようになっていた) (10/18-23:40:03)
ズフル > (首に巻いたスカーフが風に揺れるのを感じる。 これも師を真似して付け始めたのだ。 最初は訓練に付き合ってくれた年長の騎士達に可愛げが有ると笑われた事を思い出す。 それでも、師弟の誓いとこのスカーフこそが、自分の才と向き合った時に折れてしまいそうな心を繋ぎ止める数少ない味方であった事を思い出した。) (10/18-23:42:50)
ズフル > (英雄に憧れ、騎士に憧れ、それでも道の先は暗く、いつの間にか肥大化した憧れに近づけない自分の姿に情けなさを感じていた。 頭が切れる訳でも無い、体が強い訳でも無い。 そんな矮小な器に、ただひたすらに技術だけを詰め込んだ。 その道がいつか、自分が欲しかった何かにつながっている事を信じて。 だが、旅に出て、多くの人と知り合い、国の状態も良くないと知った今、立ち止まって振り返って見れば自分はまだ何者にもなっていない事に気づく。 まだ未熟ながら見識を広げた今、自分が本当に目指したい騎士像とは何なのか、そしてそのために戦わなければならない敵とは誰なのか、自分が一体何の為に命をかけるのか。) (10/18-23:48:27)
ズフル > (決意も覚悟も自分には無かった。 だからきっとあの日の夜、敵と相対した時に自分の心は折れた。 せめて心だけは負けぬようにと、胸の灯火だけは消さぬようにと思い続けて、それでも本当に勝てない敵に出会った時、自分の心はあんなにも容易く折れてしまうのだ。 人は言うだろう、相手が悪かった。 お前で無くとも何も出来なかった。 だが違う、本当に今の自分に必要なのは、どうしようも無い何かに直面したその時、自分のあり方の為に笑顔で命を賭けられる強さで。) (10/18-23:54:51)
ズフル > (そんな弱者である自分の生き方こそが、様々な理由によって弱者にならざるを得なかった全ての者達への福音になり、そんな何処かの誰かの為に自分が示せる唯一の道標だと思うのだ。 弱くても、誰かより劣っていても、自分のあり方に嘘をつかず、それに真摯に向き合う事こそが、本当に誰かに誇れる騎士たる生き方だと今は心の底から思うから。 自分が本当に守りたかった物は、きっとその弱者の矜持だと思うから。 こんな自分でもそんな生き方が出来たなら、自分に恥じる物は無いときっと笑えるから) (10/18-23:59:25)
ズフル > (前を向いて進む事が出来ない者も居る。 それを切り捨てて進むような事を自分は決して肯定出来ない。 正誤で語る単純化された社会の中では多くの者が切り捨てられる、そんな者達に止まるなと、折れるなと、そんな絶望的な言葉を向けるような事だけはしたくない。 光の道を歩む事だけが人としての正しさだなんて、決して言いたくは無いのだ。 子供じみた理想論だと言う事は判っている。 それでも、自分の心が折れかけたからこそ判る。 ここから立ち直れない者が居る事は当然で、それを汲み取れない社会はいつか足を止めた他の者を切り捨て、最後にはたった一人が頂に立つただの蠱毒なのだ。 だから、自分はそんな足を止めた者達を許せる何かでありたいと、強く思うのだ) (10/19-00:13:24)
ズフル > (ならば進もう。 脆弱でも、先が暗闇でも、道が見えている限りは進んで行けばいい。 ようやく形になった一つの答えを得て、少年は剣を収め、また何処かへと歩いていくのだろう) (10/19-00:17:14)
ご案内:「神隠しの森の館 -修練場-」からズフルさんが去りました。 (10/19-00:17:16)
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