room41_20190114
ご案内:「神隠しの森の館 -S-48-」にノラさんが現れました。 (01/14-10:56:07)
ノラ > (時刻は少し遡る。 まだ陽が昇るには数刻の時が掛かる。窓の外は漆黒の夜の闇が包み、凍てつく様な寒さ。 カタカタと時折風が窓を揺らす。ベッドの中で眠る少年は何度目かの寝返りを打ち、小さく呻きを漏らす。)───ま…。 (01/14-10:59:54)
ノラ > (少年は夢の中に居た。 暖かい布団のせいだろうか。 あたり一面に咲き乱れたシロツメクサが風に揺れる。小さな、3歳ほどの幼女が駆け寄ってくる。 手にはシロツメクサの花かんむり。 『にいちゃん』 鈴を鳴らすような、可愛らしい声。 ぱっつんと肩の上で切りそろえたサラサラの黒髪に大きな丸い瞳。ぷにぷにとした柔らかそうな頬は健康的な薄紅色。可愛い、可愛い妹。『てま。』そう呼ぶと、幼女ははにかむ様に笑い、自分の頭の上に、背伸びをして、花かんむりを乗せてくれる。 親さえも自分をどう扱えば良いのか困惑する中、無邪気に懐いてくれるのは、小さなこの妹ただ一人。 お頭と姉と慕う女忍一人は可愛がってもくれるのだが、甘えて懐いてくれるのは、この妹だけだった。) (01/14-11:12:54)
ノラ > (たった一つの宝物、だった。『てま。』 有難う、と手を伸ばす。 それを眺めるもう一人の自分が、やめろと叫ぶ。──頼む。頼むから、やめてくれ。見たくないと顔を覆うのに、見えてしまうその後継。 シロツメクサの花の中に座る少年と、小さな妹。それを離れた場所から見て居た筈なのに。 少年が、手を伸ばす。幼い頃の自分だ。 小さな妹の頬に手を伸ばした刹那、瞳に飛び込む景色が、幼い自分の目に重なる。伸ばした手。 真っ白い閃光。浮き上がる妹の小さな体。驚いたように見開かれた妹のその目。 此方に伸ばした幼い手。『にい──』 その腕が、足が、スローモーションの様に千切れ、閃光に飲まれて行く。千切れた腹から臓物が飛び散り、雨の様に降り注ぐ。必死に伸ばした手が何かを掴む。閃光が、幼い妹を包み込み)───ッッッ!!! (01/14-11:22:42)
ノラ > (たった一つの宝物、だった。『てま。』 有難う、と手を伸ばす。 それを眺めるもう一人の自分が、やめろと叫ぶ。──頼む。頼むから、やめてくれ。見たくないと顔を覆うのに、見えてしまうその光景。 シロツメクサの花の中に座る少年と、小さな妹。それを離れた場所から見て居た筈なのに。 少年が、手を伸ばす。幼い頃の自分だ。 小さな妹の頬に手を伸ばした刹那、瞳に飛び込む景色が、幼い自分の目に重なる。伸ばした手。 真っ白い閃光。浮き上がる妹の小さな体。驚いたように見開かれた妹のその目。 此方に伸ばした幼い手。『にい──』 その腕が、足が、スローモーションの様に千切れ、閃光に飲まれて行く。千切れた腹から臓物が飛び散り、雨の様に降り注ぐ。必死に伸ばした手が何かを掴む。閃光が、幼い妹を包み込み)───ッッッ!!! (01/14-11:23:44)
ノラ > (がば、っと勢いよく体を起こす。伸ばした手はそのままに。視界に入る光景に一瞬どこだか分らなかった。 ああ、部屋、だ。あの世界の。 全身からじっとりと嫌な汗が流れる。 ドクドクと脈打つ鼓動は嫌な音だ。 息苦しい。上手く呼吸が出来ずに、片手で胸元を押え、浅く息を繰り返す。 実際は、あれは深夜の出来事だった。 なのに、繰り返し見る夢はいつもあの花畑。幼い妹とよく遊んだ、あの光景。 顔を、覆う───) (01/14-11:29:07)
ノラ > (絶対に、守ると誓ったのに。何もできずに、それどころか自分の目の前で吹き飛んでしまった小さな妹。 ── 怖い。 何よりも、失うのが怖い。 あの生暖かい血の、肉片の感覚が、こびり付いて離れない。)──嗚呼、いかん…。(ふる、っと頭を振る。 のろ、と手を伸ばせば、カプセルの付いたペンダントを引き寄せ、首から下げる。汗ばんだ体が気持ちが悪い。のろ、とベッドから降りれば、ふらりとした足取りで、着替えをし、部屋を出る。繰り返し見る夢。 慣れる事は、決してない───) (01/14-11:38:22)
ご案内:「神隠しの森の館 -S-48-」からノラさんが去りました。 (01/14-11:38:34)
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