room40_20190614
ご案内:「神隠しの森の館-修練場-」にヴァルシードさんが現れました。 (06/14-18:44:42)
ヴァルシード > (剣(つるぎ)を掲げて、空を切り裂き、また掲げては、空を切る。) (06/14-18:45:49)
ヴァルシード > (戦装束に身を固め、鉄の鎧と剣で己をよろう、男が一人。繰り返している。ただ、ひたすらに、何の意味もなく。意義もなく。鉄塊を振り下ろす。) (06/14-18:47:28)
ヴァルシード > (けれども、男は何の頓着もする事もなく。ただ、それが自らの存在意義であるかのように。いや、意義などという事すらも考える事もなく、ただ、ただ、そのような機械であるかのように、あるいは、そのような生き物であるかのように、剣を振り上げては振り降ろす。) (06/14-18:49:05)
ヴァルシード > (そのような、剣の訓練を、男は一人で繰り返していた。夕暮れ……もうすぐ日が沈む……。) (06/14-18:49:50)
ヴァルシード > (息に乱れはない……200回……210……230……何度でも、何度でも、剣を振り下ろす……呼吸は乱れないものの、息は深く、吐息は大きい。まるで少し強い風が吹き抜けているかのように……外界と男の身体の中を、空気が循環している。) (06/14-18:51:52)
ヴァルシード > (農夫が鍬で土を耕すように、頭上へと剣を…右回りに振り上げ、一呼吸の間の後に、しなやかに振り下ろす。ブゥンと振り上げる時も、振り下ろす時も、そのつど、そのつど、慣性が緩やかに働くに任せるタイミングが見受けられる……タメを効かせるためなのか、狙いを定めるためなのか。) (06/14-18:55:19)
ヴァルシード > (300……310……320……。乱れ泣き呼吸、深く、長く、風が循環する。肺や腹へと空気が流れ込み、血を巡り、そうして身体の重しとなった空気が再び吐き出される。そうして、男の中で力が燃え滾り続ける……。その瞳は輝き、熱が燃えている事がわかるはずだ。) (06/14-18:57:42)
ヴァルシード > (汗もなく、疲れもなく、迷いもなく、逡巡もなく、同じ動作を続けている。決まりきった事を、決まりきった通りに、ただただ、確かめ続け、正確さを盤石にするために……そして、疲れと疲弊、削られ続ける精神……それらに打ち克ち続けるために、ただ、ひたすらに男は剣を振り続けていた。) (06/14-18:59:14)
ヴァルシード > (425……450……475……。剣風が何度も、規則的に響き続けていた。修練場には静かな熱が生まれていた。まるで、恒星が光を放ち、宇宙に熱を放射し続けるように。男は延々と身体を燃やし、魂を燃やしている。) (06/14-19:00:49)
ヴァルシード > (闘志もなく、埃もなく、栄誉もなく、ただただ、男は己を燃やし続けている。何の意味もない。何の意義もない。その存在に理由はない。ただ、静かに、ただ、熱く……。) (06/14-19:02:16)
ヴァルシード > (570、600、625、650。) (06/14-19:03:13)
ヴァルシード > (早くなることもなければ、遅くなることもない。一定の速度で、一定の力加減で、剣を振り上げては、振り下ろす。斬撃、残心、斬撃、残心。動きの後に静止があり、また動き、静止する。) (06/14-19:05:50)
ヴァルシード > (身体だけが動いているわけではなく、注意力と集中力が働いているのは、瞳に宿る力の輝きを観察すれば、見て取れる。) (06/14-19:07:14)
ご案内:「神隠しの森の館-修練場-」にアヤメさんが現れました。 (06/14-19:08:08)
ヴァルシード > (心技体。身体を正確に動かすだけではなく、心も正確に動かしているのだ。) (06/14-19:08:30)
アヤメ > …………(不意に、夕闇の彼方に漆黒の影が揺らめいた。時は誰彼時、斜陽が黄金の光に沈む狭間の刻に生じたそれは、逆光と闇の中に身を隠して路傍の石ころであるかのように佇んでいた。その存在は揺らめき、今にも消えそうだ) (06/14-19:10:33)
ヴァルシード > <<ブゥン、ブゥン――>>(影なる者が消え入りそうであるのとは相反するように、戦の霊…否、ただ一人の男が斬撃を、剣風を巻き起こし続けていた…700回目……710回目……終わりが見えない……それは、この男が息を乱すことなく、延々と同じ動作を同じペースで続けているためか。) (06/14-19:14:47)
アヤメ > (影はその呼気を舞い踊る風に溶け込ませ、何をするでもなく見据えていた。敵意も殺意もない、あるのは視線。思想などあるはずもない影としてヴァルシードをただ見つめていた。闇は深まり、夜が空の彼方より訪れようとしていた) (06/14-19:16:50)
ヴァルシード > (720、740、760。剣の動きは自然なもの。手慣れたもの。鮮やかに、滑らかに、涼やかに、そして、力強い。強大な力を振るっているわけではない、ただ、しなやかで、たくましいエネルギーが動作一つひとつに込められている。瞬間瞬間に、力が圧縮される瞬間が僅かにあるが、よくよく見なければ気づくことはないだろう…例えば、振り下ろす間際に掌に圧縮されてゆく力など。) (06/14-19:24:12)
アヤメ > (素振りが800回に近づいた時、闇に溶け込んでいた存在は静かに歩みを進める。気配はなく、臭いはひどく自然に溶け込み、空気を揺らすことなき音無しの歩法。現れたのは戦闘用に特化した露出度の高い装束に身を包んだ年若い少女。その目をサラシで封じ込めて視覚を封じたキツネは実のところ、何も目で視ていない。だが、世界というのはかくも雄弁なもの。風切りの音、筋肉の音、石畳を叩く足音、あらゆる情報がキツネに情報を伝えていた。――たとえば、ヴァルシードの圧縮されている力などは手に取るようにわかる。) (06/14-19:30:04)
ヴァルシード > (795、800。迅速さもなく、強烈さもなく、ただ、強靭に、強靭に、たくましく素振り続ける。重心が振り上げられる動作に合わせて動き、振り下ろされる動作に合わせて鋭く動く。無作為な音と共に解き放たれる力。この斬撃。…この斬撃は、見た目よりも重そうだ。おそらくは――。) (06/14-19:35:41)
アヤメ > …………(姿を現したニンジャはやはり、ただそこに在るだけだ。歩みを進めはした。その刃も見た。されど未だ干渉はせずに佇む。その力の正体も全て覗き見るかの如く。) (06/14-19:39:05)
ヴァルシード > (829、838、846。それは勢いが要因ではない、動作の正確さが要因でもない、全ては一定で、過剰ではなく、バランスしている。――決定的なのは、その、”漲る力”だ…この男の斬撃を受けてしまえば、相手のあらゆる防御を砕きながら、最後まで振り下ろしきってしまいそうだ。動作のあらゆる要素がバランスし、振り下ろす瞬間に巧みに集約されている事も、斬撃の密かな強靭さに拍車をかけている。) (06/14-19:49:18)
アヤメ > (武器をどう扱っているのかは目が見えずともよくわかる。なんてことはない、その扱い方は彼女がよく知る『剣術の基礎』がとても良くできているということだ。腰を切り、体幹を据え、全身の力を集約させて叩き込むその刹那に手首を締めてインパクトの威力を上げる。ただ一太刀の刃筋を通すべく、無駄な労力を廃した剣術の基礎である。そして、ヴァルシードはそれを相当に磨き上げただけのこと。ただ、身に着けるには一本の刀を作るが如き木の遠くなるような鍛えが必要となる。鋼の皮を一枚一枚、重ねてゆくような日々の鍛錬。馬鹿正直にあれもこれも捧げてこそ武術というのは応え、剣は身体の一部になってゆく。乾坤一擲、豪腕一閃。ただの力自慢では辿り着けぬ反復運動は、彼が数多の戦いを潜り抜けてきたであろうことを雄弁に語っていた。何処か感心したように頷くと、ニンジャの姿が不知火のように揺らめいて影に消えてゆく。) (06/14-19:58:16)
ヴァルシード > (飾り無く、素朴に、重ねられた修練は、積り行く時間は……さりとて誇るべき事など何もない……砕いて言えば、地味な事をしているのだ……基礎…基本…初歩的で、誰にでも出来る事の繰り返し…。860、870、880。――影が消えて、日が落ちて、900回目の素振り。呼吸は相変わらず一定で、深く、大きく、長い。) (06/14-20:08:22)
アヤメ > …………(闇の帳が落ちた頃、月影を受けてシノビが空を舞う。風と共に森に落ち、木々の合間を軽快に疾走するそれは動物たちも気づかぬ音のなさで霧の彼方へ消えていった。後に残るのは優しく包み込むような静謐だけだった) (06/14-20:11:15)
ご案内:「神隠しの森の館-修練場-」からアヤメさんが去りました。 (06/14-20:11:18)
ヴァルシード > (901回目、902回目……そこで、ふと、素振りをやめて、闇を仰いだ。祝福を受けたかのように、頭(こうべ)をゆるりと垂れた。息は相変わらず深い。それは…やはり、この男は気の遠くなる程に素振りを続けて、身体が空気を必要としているからこそだ。) (06/14-20:13:41)
ヴァルシード > (男は、誰かに気付いた様子はない。ただ、きっと、何処かで、誰かが、見ているのだろう、と、予感めいたものを感じながら、充実した顔になりながら、剣を納めて、その場を後にした―――。男の去った石畳の上に、しばしの間、彼が残していった熱が残る。踊るような歓喜に満ちたオーラが残る。…場に保存されたその熱は、やがては、他の物理的な熱と同様に、拡散し、拡散し、やがては消えて行く…。) (06/14-20:16:23)
ご案内:「神隠しの森の館-修練場-」からヴァルシードさんが去りました。 (06/14-20:16:26)
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