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ご案内:「とある場所 -1- ※」に刀司姫命さんが現れました。 (03/23-17:11:57)
刀司姫命 > ある山林の山桜が多く自生する開けた場所で、私は桜の木の一本に体を委ねて一人の少女を待っていた。以前、彼女とは一度だけ手合わせをしたことがあった。その時に私は他の用事が舞い込んだこともあって、一方的にあるものを連絡先と一緒に押し付けて別れてしまったのだった。 今思えばほんの一瞬のすれ違いのようなものであったかもしれない。それでも彼女の中に“彼”と同じ光るものを見た私は、その少女にどうにか道を示したかった。 そのあと、つい数日前まで彼女とは会うことはなかった。恐らくは彼女が手紙を寄越さなければ多くの記憶の中に埋もれてしまっていたことだろう。だから私は、彼女が手紙をくれたとき、驚き、そしてうれしく嬉しく思った。きっと彼女なりにあの時から成長したという自覚があったからこそ私に連絡をしてきたのだろうから――。 (03/23-17:12:02)
ご案内:「とある場所 -1- ※」にキヨヒメさんが現れました。 (03/23-17:13:11)
キヨヒメ > 不意に、静かな気配が現れる。年端もいかない少女ではあるが、それでもはっきりと感じ取れる剣士の気。何気なく目を向ければ、ひらひらと舞い落ちる桜花を纏うような足取りで歩み寄ってくる。少し桜の木から身体を浮かすと、彼女は何かを拝むように丁寧な拝礼をした。礼を終えて上げた顔には、以前よりも『芯』があった。「突然にお呼び出しをして申し訳ありません。どうしても一度お会いしたく、お手紙を」 (03/23-17:18:17)
刀司姫命 > 「いいのよ、久々に桜を見るいい機会になったわ。それよりも久しぶりね、手紙を受け取ったときとても嬉しかったわ」 私は彼女に向き直ると、恭しく礼をする少女に声をかけた。彼女のその所作は、心なしか外見的にも以前会った時よりも大人びてきたように思わせる。 「随分と大切にしてくれていたのね」 彼女が携えてきた私のものと同じ黒い木刀を見て、私は思わず頬を緩めそんな感想を漏らす。渡した時よりも随分と傷は増えているが、よく手入れされており致命的な割れなどは見当たらない。 (03/23-17:31:42)
刀司姫命 > 「いいのよ、久々に桜を見るいい機会になったわ。それよりも久しぶりね、手紙を受け取ったときとても嬉しかったわ」 私は彼女に向き直ると、恭しく礼をする少女に声をかけた。彼女のその所作は、心なしか外見的にも以前会った時よりも大人びてきたように思わせる。 「随分と大切にしてくれていたのね」 ふと彼女が携えてきた私のものと同じ黒い木刀を見て、私は思わず頬を緩めそんな感想を漏らす。渡した時よりも随分と傷は増えているが、よく手入れされており致命的な割れなどは見当たらない。 (03/23-17:32:12)
キヨヒメ > 「はい。スズカ師匠より拝領した神木の木刀とも違う振り具合と、染み付いた技の数々を勉強させていただきました」 背筋を伸ばし、ハキハキとした語り口はまるで弟子のようだ。何があったのか――それは問うまい。ただ、約束を果たすために私は木刀を引き抜き、その切っ先を少女に向けた。呼応するように彼女も木刀を抜き、正眼に構える。――迷いのない、良い面構えだ。彼女は彼女なりに答えを見つけ、そしてそれを私に示そうとしているのだ。 (03/23-17:40:48)
キヨヒメ > 「はい。スズカ師匠より拝領した神木の木刀とも違う振り具合と、染み付いた技の数々を勉強させていただきました」 背筋を伸ばし、ハキハキとした語り口はまるで弟子のようだ。しばらく見ないうちに何があったのか、それは問いかける必要もなかった。ただ、彼女は木刀を抜き、正眼に構えてその切っ先を私に向ける。――迷いのない面構えだ。彼女は彼女なりに答えを見つけ、そしてそれを私に示そうとしているのだろう。「――失礼ながら、教えを乞うつもりはありません。ですが、ひと勝負受けてくださいますね?」 (03/23-17:45:20)
キヨヒメ > 「はい。スズカ師匠より拝領した神木の木刀とも違う振り具合と、染み付いた技の数々を勉強させていただきました」 背筋を伸ばし、ハキハキとした語り口はまるで弟子のようだ。しばらく見ないうちに何があったのか、それを問いかける必要もなかった。ただ、彼女は木刀を抜き、正眼に構えてその切っ先を私に向ける。――迷いのない面構えだ。彼女は彼女なりに答えを見つけ、そしてそれを私に示そうとしているのだろう。「――失礼ながら、あなた様に教えを乞うつもりはありません。ですが、ひと勝負受けてくださいますね?」 (03/23-17:47:40)
刀司姫命 > 「もともとそういう約束だものね、そうでなければここへ来たりしないわ」 “彼”ともまた違った真面目さを以て勝負を申し込んでくる彼女に、私は苦笑気味に答えて息を吐くと左手に携えたひと振りの木刀を静かに下段に構える。 私と彼女の間を淡い色の花弁を携えた一陣の風が吹き抜けた。 (03/23-17:56:24)
キヨヒメ > それを合図に話していた時の気配そのままに、桜花の間をすり抜けるように少女が疾駆する。「シャアアアアッ!!」 一跳躍で距離を詰めると抜きざまの一閃が私の首に向けて放たれた。 (03/23-18:03:27)
キヨヒメ > それを合図に話していた時の気配そのままに、桜花の間をすり抜けるように少女が疾駆する。「シャアアアアッ!!」 一跳躍で距離を詰めると大上段からの全力の一閃が私の頭を叩き割るように放たれた。 (03/23-18:07:25)
刀司姫命 > 私は彼女の一太刀を右へ飛び退いて躱しつつ、刀を中段の構えに変えながら少女と正対し続けるよう足を運んだ。幾分鋭さを増してはいるが、予想した通り先手を取り飛び込んでくるのは相変わらずのようだ。 (03/23-18:14:25)
キヨヒメ > 遅れ、それまで穏やかに舞っていた桜の花びらが少女が引き連れてきた風に巻き込まれて乱舞した。獣のように速いが、猪突猛進ではない。振り抜いた刀が空を裂き、初撃を躱された少女は即座に下段に構えると、飛び込んだ勢いを殺さないまま何歩か走り抜けながら身体の向きを時計回りに翻して前進し、間合いに入った瞬間逆風に振り上げた。 (03/23-18:24:39)
キヨヒメ > 遅れ、それまで穏やかに舞っていた桜の花びらが少女が引き連れてきた風に巻き込まれて乱舞した。獣のように速いが、猪突猛進ではない。振り抜いた刀が空を裂き、初撃を躱された少女は即座に下段に構えると、飛び込んだ勢いを殺さないまま何歩か走り抜けながら身体の向きを時計回りに翻して相対する。「ハァァ……」 深く呼吸をしながら下段に構え、仇を見るような剥き出しの殺気を込めた眼差しが私を射抜く。半ば唸り声めいた吐息を口の中から漏らしながら、間合いを一歩、二歩と詰め始める。 (03/23-18:32:18)
キヨヒメ > 遅れ、それまで穏やかに舞っていた桜の花びらが少女が引き連れてきた風に巻き込まれて乱舞した。獣のように速いが、猪突猛進ではない。彼女が振り抜いた刀が空を裂き、初撃を躱された少女は即座に下段に構えると、飛び込んだ勢いを殺さないまま何歩か走り抜けながら身体の向きを時計回りに翻して相対する。「ハァァ……」 深く呼吸をしながら対峙する少女は下段に構え、仇を見るような剥き出しの殺気を込めた眼差しで私を射抜く。半ば唸り声めいた吐息を口の中から漏らしながら、間合いを一歩、二歩と詰め始める。 (03/23-18:33:26)
キヨヒメ > 遅れ、それまで穏やかに舞っていた桜の花びらが少女が引き連れてきた風に巻き込まれて乱舞した。獣のように速いが、猪突猛進ではない。少女の振り抜いた刀が空を裂き、初撃を躱された少女は即座に下段に構えると、飛び込んだ勢いを殺さないまま何歩か走り抜けながら身体の向きを時計回りに翻して相対する。「ハァァ……」 深く呼吸をしながら構えを正し、仇を見るような剥き出しの殺気を込めた眼差しが私を射抜く。彼女は半ば唸り声めいた吐息を口の中から漏らしながら、間合いを一歩、二歩と詰め始める。 (03/23-18:35:14)
刀司姫命 > 間合いを詰めようとする彼女に対して、私は構えを維持したまま彼女の右方へと回り込むように足を運ぶ。 「心を落ち着けなさい。殺気は半端者の威圧には使えても、手練れ相手には塩を送るようなものよ」 そう言っって私は彼女が踏み込んでくるのを待った。 (03/23-18:41:38)
刀司姫命 > 間合いを詰めようとする彼女に対して、私は構えを維持したまま彼女の右方へと回り込むように足を運ぶ。 「心を落ち着けなさい。殺気は半端者の威圧には使えても、手練れ相手には塩を送るようなものよ」 そう言って私は彼女が踏み込んでくるのを待った。 (03/23-18:42:14)
キヨヒメ > その言葉に彼女は何かを思い出したかのように僅かに眉を上げる。刃物のように研ぎ澄まされ、纏っていた殺気が僅かに緩む。『殺す為』に刃を振るう者を制することは容易い、何を狙い何を斬るのかがまるで糸のように見えるからだ。腹を空かした獣のようだった少女は間合いにギリギリまで近づいた状態で目を閉じると大きく深呼吸をする。「……行きます!」 決意を固めた目。間合いに踏み込み、即座に逆風に振り上げだ。内に激しさを秘めた、よく研ぎ澄まされた一撃だ。 (03/23-18:55:09)
キヨヒメ > 私の言葉に彼女は何かを思い出したかのように僅かに眉を上げる。刃物のように研ぎ澄まされ、纏っていた殺気が僅かに緩む。『殺す為』に刃を振るう者を制することは容易い、何を狙い何を斬るのかがまるで糸のように見えるからだ。腹を空かした獣のようだった少女は間合いにギリギリまで近づいた状態で目を閉じると大きく深呼吸をする。「……行きます!」 決意を固めた目。間合いに踏み込み、即座に逆風に振り上げた。内に激しさを秘めた、よく研ぎ澄まされた一撃だ。 (03/23-18:56:24)
刀司姫命 > 予想通りやってきた一撃に、私は中段から素早く手を交差させ刀を翻しつつ剣先を左側へ落とし、腕を顔へと引き寄せるとそのまま鎬同士で彼女の一閃に干渉する。彼女の刀は鎬を滑るように進んでくるが私は構わずそのまま刀を頭上方向へと振り上げ、さらに少女の刀を巻き込むようにして反対側へと抑え込む。当然、私と彼女は肩が密接し息が感じられるほど接近する格好になる。 すかさず私は、まだ重心の安定しない彼女の体を肩で押し態勢を崩そうと試みた。 (03/23-19:12:21)
キヨヒメ > 少女は振り上げた刀を反対側に抑え込まれ、想定外なほどに密着したことに目を丸くしていた。重心が安定しなくなったところで肩で押され、大きく体勢が崩れる。刀を体格勝る私に上からねじり込むように抑え込まれている今、少しでも手を緩めれば刀が落とされ、脚を緩めればそれこそ転倒する。彼女がとった選択肢は、崩れた体勢のまま無理やり間合いの外に飛び退くことだった。 (03/23-19:21:30)
刀司姫命 > かかった。私は飛びずさった彼女が構えを取るよりも早く脇構えを取り、彼女がそうしてきたように逆風で追い打ちをかける。 (03/23-19:27:45)
キヨヒメ > 彼女が飛び退った時には既に構えは完成していた。当然だ、下側へ抑え込み彼女が体勢を崩した時にはそれを構えるための要素は全てあった。ただ、脇に構え振り上げるだけで足りる。「ッ……!」 そして、間髪入れず叩き込まれるということは全ての防御が間に合わず刃が彼女の小さな身体を縦一文字に絶ち割るということ。着物に触れた瞬間に止められた木刀を見て、少女は戦慄に身を震わせて硬直していた。もしこれが真剣であったなら――などと考えているだろう。 (03/23-19:35:26)
刀司姫命 > 私はゆっくりと木刀を引くと、いまだ戦慄の表情のまま硬直した彼女に声をかける。 「大丈夫、怪我はしなかったかしら?」 (03/23-19:41:34)
キヨヒメ > 「…………」 刀を下ろし、少女は難しい顔をする。やがて苦笑を浮かべると首を横に振った。「いえ、大丈夫ですわ。冷や汗のひとつすらかかせることはできませんでしたか」 (03/23-19:43:32)
刀司姫命 > 「そう残念がることはないわ。私に剣だけで冷や汗をかかせたら相当なものよ」 ふと、どこかの誰かにも同じようなことを言われたことを思い出した。そういえばあの時も私は似た返しをしたような気がする。 「それよりも、随分と迷いがなくなったのね。最初に会った時よりも余程相手しづらかったわ」 (03/23-19:55:49)
キヨヒメ > その言葉を聞いた瞬間、少女は驚いたように目を丸くして「……ふふっ、ご冗談を」と手をヒラヒラと振る。 迷い、惑い、悩んだ果てに見つけ出した答えというのは何であれ太刀筋から雑念を消す。照れくさそうにしている彼女は潔く負けを認めた以前と違い、斬られた今も未だ私から何かを見出そうとしていた。自覚はしていないだろうが、届かないものを前にしても戦意が折れていない。 (03/23-20:02:46)
刀司姫命 > 「確かに私は冗談は言うかもしれないけど、嘘はつかないようにしてるのよ。それで、一勝負という事だったけれどどうするの?」 勝敗は決したと言えるかもしれない。だが、私は斬ったわけでもなければ彼女の口から参ったとも聞いていない。 (03/23-20:10:03)
キヨヒメ > 「確かに、負けはしました。ですが真剣であれ木刀であれ着物を撫でられた程度では赤子でも死にません。――ですからまたひと勝負、お請けくださいますか?」 負けは認めるけれどそれは先の試合ひとつでしかない、と。彼女はまだまだやり足りない様子で私を挑発的に見上げた。 (03/23-20:14:17)
刀司姫命 > 「ええ、あなたが望むなら」 そう言った時、私たちを再び桜の風が撫でて行った。 結論から言えば、その後の勝負にも私はすべて勝利した。勝負の終わりの方では、彼女は息も絶え絶えになっていたが、それでも鋭さだけは失われることはなかった。一つ、嬉しかったことはと言えば、今回私は髪を七本も犠牲にしてしまったことだ。 (03/23-20:21:00)
刀司姫命 > 「ええ、あなたが望むなら」 そう言った時、私たちを再び桜の風が撫でて行った。 結論から言えば、その後の勝負にも私はすべて勝利した。勝負の終わりの方では、彼女は息も絶え絶えになっていたが、それでも鋭さだけは失われることはなかった。 (03/23-20:23:29)
キヨヒメ > もっと速く、もっと鋭く。普段から極限の疲労に慣れているのだろう、数えきれない程の打ち合いの末に息も絶え絶えになりながらも戦い続ける彼女は最終的に刀を保持できなくなっていたが――その顔はとても晴れやかだった。 (03/23-20:24:04)
刀司姫命 > 一つ、嬉しかったことはと言えば、今回私は髪を七本も犠牲にしてしまったことだ。 (03/23-20:25:09)
ご案内:「とある場所 -1- ※」からキヨヒメさんが去りました。 (03/23-20:25:17)
ご案内:「とある場所 -1- ※」から刀司姫命さんが去りました。 (03/23-20:25:23)
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