room53_20200421
ご案内:「クレヴィスの街 -裏路地の酒場-」にミクズ(狐面)さんが現れました。 (04/21-21:06:27)
ミクズ(狐面) > (奥まった裏通りは異世界の郷土を思わせる独特の店が多く並んでいる。混沌としながらも美しいきらびやかなレンガの街並みを見せる、光あふれる表通りとは違った空気を伴っていた。……そしてその一角、金のない者達が集う酒場においてもそれは同じく。致命的な犯罪でなければ見逃されるそこは思えを出歩かないチンピラ達の憩いの場である。野卑な笑い声と煙のニオイ、それに時々の怒声罵声が絶えないその酒場には――今日は何か『違うもの』が紛れ込んでいた。) (04/21-21:12:19)
ミクズ(狐面) > 〜〜♪(妖しくも甘い芳香を漂わせ、和洋折衷の着物を着た『女』だ。その顔は上半分だけ隠した狐面に隠され伺うことはできない。だが、雅やかな空気を纏った彼女はただ現れただけで水に石を投じたように酒場の雰囲気を一変させた。だが、そんな視線にも構わず女は静かにカウンター席についた。) (04/21-21:16:30)
ミクズ(狐面) > 「……いらっしゃい。ご注文は?」(マスターがゆっくりと口を開く。細々とやっていた場末の酒場に似つかわしくない空気の客に少々戸惑っているのか、声は若干困惑が混ざっていた。女は口元を緩めると)そうね、まずは北方ウィスキーをお願いできるかしら?(そう注文し、楽しげに笑ってみせた) (04/21-21:19:55)
ミクズ(狐面) > (注文を承ったマスターが角型ボトルを取り出し、氷をグラスに入れながら他のチンピラ達を牽制するように睨みながら話しかける)「あんた、こんなところに一人で来て大丈夫なのか?」「大丈夫よ。この空気感がいいもの。」「……若いのが火遊びなんかするもんじゃないだろうに」(にこり、と笑って返す彼女に傷だらけの顔をした中年のマスターは首を横に振る。素顔を隠したこの女はタダの女ではないだろう……この街にゴマンといるような実力者なのかもしれない。)「ウチは見ての通り大した酒は置いてない。アンタが満足するようなモノは出せないぞ」「いいのいいの、とにかく飲みたい気分なの♪」(笑顔の彼女はマスターの忠告を聞いているのかいないのか、そんな態度で注がれてゆくウィスキーを眺めていた。透き通った氷が飴色をした酒の中に氷山のように浮かぶ。それを見れば静かに掴み、舐めるように口に含むとコロコロと転がして飲んでゆく。酔うため――でなく、味わう飲み方。) (04/21-21:31:45)
ミクズ(狐面) > (ウィスキーの味わいは初心者には飲み辛い。焼けるようなアルコールの味が口の中を、喉を降りてゆく感覚がある。だが、特に指定せずロックで飲む女のウィスキーは香りこそ閉じているが飲みやすいものだ。そのままコクコクと静かに飲んでいると――不意に右脇にガラの悪い男が座り込む。)「よう、一人飲みか?」(ひどく酒臭い息と共に紡がれるガラガラの声。普通なら怖い場面だが女はむしろ楽しげに笑い男を見やる。)「ええ、飲み友達もいないから」「おーおーそりゃ勿体ねえ!なあ、俺達と一緒に飲まねえか?博打もやってんだがよ、ちょうどひとり足りなくてなァ?」(下心丸出しの笑みを浮かべて彼女の肩を掴んで無理やり引き寄せると、野郎の飲み仲間らしき卓を指差した!) (04/21-21:40:52)
ミクズ(狐面) > 「お前さん……揉め事は困るぞ」「何言ってんだよオヤジ!俺達ァこの姉ちゃんと飲みてぇだけだぜ?声かけたもん勝ちだろ!」「それならまず肩から手を離してから言え……」(こういう相手に声をかけて大惨事になったという話も聞いているマスターは、心底嫌そうな顔で男を注意した。しかし当の女はマスターに軽く手を出してそちらを制した。)「一緒に飲むのは大歓迎♪とりあえず、あっちの卓にウィスキーを運んでおいてくれるかしら?」「話のわかる女だなぁ!じゃあ行こうや、退屈はさせねえぜ?」(そのまま二人で立ち上がるとテーブル席へと進んでゆく。酒場の中の野郎どもの囃し立てる声が響くが、やっぱり楽しそうに笑っていた) (04/21-21:46:56)
ミクズ(狐面) > (――卓に案内された女は男たちに囲まれ、時々身体を触ろうとする手をやんわりと押しのけつつ談笑に興じていた。まあ内容はなんの取り留めもない猥談とセクハラばっかりなのだが、ひとつ聞いてはコロコロと笑って聞き役に回って楽しんでいた。仮面は取らないが、それでもいいのか男達は楽しそうだった。)「あら、札遊びやってるの?」(不意に、男の一人が手持ち無沙汰気味に持っていたトランプを見て、女は扇子を取り出してそれを指した)「おう。俺達はよく金を賭けて遊んでるんだよ」「……あ、まだお前支払ってねえだろ負け分の金貨3枚!そろそろ払えよ!」「うるせーなァ!てめえに酒おごってやったろダアホ!!」「それとこれとは別問題だバーカ!!」(いきなり喧嘩し始めた二人を他所に、トランプを持っていた男は女に返答する)「とまあ、こんな感じに遊んでんだ。前に買ったのは俺だったな」「へえ、面白そうね……じゃあ、今度は私を入れてくれる?」(――喧嘩が止まった。) (04/21-21:56:55)
ミクズ(狐面) > 「俺達は構わないがいいのか?」「手加減はしてやらねえぜ?」「いいのよ。もしかしたら運良くイケるかもしれないモノ♪」(クスクス、と笑いながら女はギャンブルを望み――静かに扇子を自分を指した。)「そうね……私が賭けるモノは私自身。……で、どう?」(そのまま、ゆっくりと自分の身体を扇子の先で指しながらゆっくりと下ろしてゆく。)「私が負けるごとに身に着けているものを外すわ。最初は靴、次は足袋、その次は上着、そしてこのお面を……最後は言わなくてもわかるわよね?」(その言葉を告げ終えると、男達は色めき立つ。顔を隠しているがその狐面の下がどんなモノかは推して測るべしといったようなもの。そしてなんとも甘く媚びた蠱惑的な女の声にゴクリと生唾を飲み込んだ。――極上の女だ。どれほどの金塊を積んでも触れるどころか会うことすら出来ない程の美貌を隠し、瑞々しくも艶めかしい豊かな女体。言葉を告げ終えた時には男達の雰囲気が洒落にならない程に変わった。例えるならば生肉を目の前に差し出された痩せ犬といったところか) (04/21-22:09:58)
ミクズ(狐面) > 「ふふ、上等上等。じゃあ、やりましょっか?」(――だが、女は妖しく微笑んだ) (04/21-22:10:57)
ミクズ(狐面) > (結果として、男達はミクズに有り金を毟られた。酒が回っているだけのみならず、女の漂わせる蜜を思わせる生々しい香りが正気を失わせ脳髄を麻痺させるような夢心地に陥らせたのだ。最初のうちは勝利していた男たち。靴を脱ぎ、足袋を脱ぎ、まるで脱ぐこと自体をひとつのショーに見立てているように酒場の中で悩ましい動きで脱衣していった。やがては薄着にされてしまい、切れ込みの入った和服から伸びた脚を組みながら引き続きやっていたが――そこから立て続けにビギナーズラックが発生し、逆転したのだ。衣服を取り戻され、焦った男たちの勇み足による自滅の数々。冷静さを失った状態でカードで勝てるわけもないのだ)「やったね、儲かっちゃった♪」「「「…………」」」(逆ギレを起こす気にもなれない。度重なる敗北で負けを認めてしまっているからだ……) (04/21-22:36:29)
ミクズ(狐面) > 「……でも最初だし、もらうのはこれくらいにするわ」(そう言いながら女は幾らか受け取ると後は男達に返し、酒場の真ん中に立つ。)「さあさあ皆さんご覧あれ、今宵の余興はワ国の舞!よろしければお歌に手拍子、ついでにお捻りも貰えますと嬉しいのでよろしく何卒よろしく。では、一、二、三!」(女は扇子を開くととても機嫌良さげに舞を披露する。透き通った歌声で紡がれる曲に合わせて日ノ本らしい優雅さの中に妖艶さを宿したソレはいつまでもいつまでも続くように、ゆっくりと進行していった……) (04/21-22:45:06)
ご案内:「クレヴィスの街 -裏路地の酒場-」からミクズ(狐面)さんが去りました。 (04/21-22:45:11)
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