ライトレイ・クォーツ 熱帯林が広がる南方の秘境にて算出される宝石。太陽の光をその身に宿し、決して絶えることのない輝きを放ち続ける黄金の石。『太陽石』とも呼ばれている。 その精製には燦然と輝く日光が必要で、その光を溜め込み続けたとある魔法石が根底から突然変異を起こすことで偶発的に誕生する。 人の精神に感応する性質を持つ為、まるで意思を持つかのように振る舞う。よって魔術の心得があるならば電源要らずの照明として機能し、調節も完璧にこなす。書物によれば大きなモノともなれば夜の闇をまばゆく照らし、まるで昼を生み出していたようと伝えられている。 見ているだけで吸い込まれてしまいそうな透き通った黄金の輝きは『太陽神の神体』と原住民に神聖視され、未来を照らす立場にある勇者や王のみが身につけることを許される。これが産出する地は代々の神官長とそれが認めた人物のみが知ることができる。 また、砂漠や極北などでも同質の宝石は取れるがいずれも踏み込んだ人間に例外なく牙を剥く試練の大地であるがゆえ、その希少性は非常に高い。 夢幻青晶 『狭間』に現れると噂される海よりも深い淡い蒼に輝く水晶。夢を、幻想を溜め込んだ淵源の晶石であり、触れた者に染まり望む夢を魅せる。人の願いを叶えるとされ、持ち主により性質が変わってゆく。 生まれる時はいつの間にか路傍の石のように転がっており、いつ、どこで、どのタイミングで手に入るかは一切不明。しかし砕いて定着させると指定した性質で安定する。だが、自然と割れたコレは夢を広げた後に風邪に乗って世界に還って消えてしまう。 しかし、夢を見せるというのは悪夢になることもあり、時には砂漠に現れて幻のオアシスを旅人に見せて消えてしまうということもある。 いろいろ謎だらけだが、宝石としても非常に美しく、所持しているだけで魂が安らぐ夢を見ることが約束されるということでコレがオークションに上がったときは凄まじいなまでの値段がつく。 囁きのカーラ 樹木系のモンスター。高密度の硬くて重い果実、太く鋭く尖った根、共生する虫モンスター、意外とフレキシブルに動く枝といろいろ取り揃えた人面樹で、中級になりたての冒険者チームでは倒すのに骨が折れる強さ。もちろん火に弱いので火炎瓶でも持ち込めばアッサリ倒せる。 名前の由来は変なことを囁き、旅人を森の中に迷い込ませる性質から。普通に人の言葉を解するし、しゃべる。 しかし、木材としては「乙女の肌のように柔らかく、繊細」と称される素晴らしい手触りと朽ちにくさ、そして加工の容易さと意外な頑丈さを併せ持つ高級品となる一面がある。だが、それ目当てで『伐採』するとなるとかなりのクセモノになる。 ただ倒してから加工しただけではその手触りやバランスのいい頑丈さが失せて、ただ硬いだけのひび割れた古木になってしまうので、元気があるうちに伐採しなければならない。言うなれば魔獣を生きたまま食肉加工するようなものなので、死に物狂いで抵抗するカーラの攻撃を処理しながら息の根が止まる前に木こりのお仕事をさっさと済ませなくてはならないのだ。 魔物が住む森に一本あるかどうかのちょいレア魔物だが、たまに群生地があるらしい。その場合採り放題だが難易度は跳ね上がる。ゼーゲは欲しい時に出向いて悪魔的な容赦のなさでソロ伐採する。 ちなみに栽培計画が某国にあったようだが、幼体がまさかの自走式で根を下ろす地を探して旅するヤツだったので頓挫した。