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それは神の言葉か、悪魔の所業か。つまるところ、人智を超えたモノというのは恐ろしい。

 豊かだった大地に開いた巨大な穴。俗に言うクレーターが幾つも出来ていた。
「ったく・・・ 派手にやりやがって」
「ほんと、痛々しいですね・・・」
 金髪で青い瞳、背中に黒と白を従える羽を持つ少年アムビエル。もう一人は黒の長髪に黒の瞳。聖騎士リュウヤ。
 二人とも戦闘を終えたばかりか、満身創痍と言った格好だった。
「・・・守りきれなかったな」
「ええ・・・」
 焼け焦げた、先ほどまでは家だったものを眺める。かつてそこに家族が居た、笑顔があった、それが、一瞬にして、消え去った。
 目の前で。

「・・・・・・」
 空を見上げる。青い。
 何事も無かったかのように、青い、青く澄み切った世界は残酷にも思えた。
 言葉はない、ただ風が過ぎるだけ。
「・・・なにやってんだ? リュウヤ」
 ふと視線を戻すと、先ほどまで隣で黙っていた男がなにやら地面を掘っていた。
「せめて・・・ お墓を作ってあげようと思いまして・・・ 手伝ってくれますか?」
「いや、俺はいい」
「・・・?」
 今するべきではないと、微笑を向けた。
 彼の表情に真意を見出せず、リュウヤは首を傾げる。
 アムビエルは煙草を咥え、口を開く。
「それは全てが終わってからにするさ。全部カタしてから、な」
 そう言いながら、アムビエルは背を向け歩き出す。
「随分と、自信があるようですね」
 苦笑まじりに、リュウヤが呟く。
「ったりめぇだろ? 俺を誰だと思ってやがる」
 顔を向けず、声だけ答える。

 朽ちた大地は、それぞれの思いを受け、二人の背中をそっと押していた。

 来 る べ き 日 の た め に