->  フッフッフ・・・ -勝つために手段は選ばない-  <-


 
ついにこの季節がやってきた。
 夏。皆は何を想像するだろうか?
 暑い、夏ばて、スイカが美味い、海。
 そう! 海! 海と言えば大海原! なに、同じ事言ってる? 気にするな!
「すなわちっ!!」
 びしぃっと、読者に向かって指を指す人物・・・ 知ってる人は知っている、ご存知カンパネラ。
 今現在彼が居るのはとある控え室。
 控え室と言ってもそんな大層な所じゃない、ベニヤ板で作られた安物だ。何故そんな場所なのかと言うと、此処が砂浜だからだ。
 さて、なんで砂浜・・・ビーチにそんなものがあるかと言うと―――
「フッフッフ・・・ 海の似合う美女コンテスト・・・ まさにこの私のために開催されたようなものっ! フフッ、フフフ・・・」
 まぁそんな訳である。
「このコンテストで優勝したあかつきには、月間カンパネラ・夏☆特大号!を発行し世に私の美を知らしめてやるのだ!! 完璧! こりゃぁ完璧だね!! ハッハッハァッ」
 意気込み十分(?)な声が響く。壁がベニヤなので勿論筒抜け、他の参加者はおろか審査員、会場まで響いてしまった。
 彼のオーラにその場に居た全員が引いたのだがカンパネラ本人はそんな事など知らず嬉々と衣装に着替えていた。

 審査本番の出来事は、各自の想像にお任せしよう―――



 余談だが、参加者の中に 藤野 という名前があったとか無かったとか。